この『バーナム効果』ですが、実は誰もが一度は体験しているほど、多く使われている心理効果なんです。
占いや心理テストがいい例ですね。
「A型の人はとても几帳面な方ですね」「しし座の方はおおらかな人が多いです」といわれたら、自分はそうかもしれないと思ってしまうことってありますよね?
これが『バーナム効果』です。
バーナム効果とは?
誰にでもあてはまりそうな特徴や性格を、さも自分にだけ当てはまっていると勘違いしてしまう心理学の現象です。
別名フォアラー効果とも言われます。
アメリカの心理学者ポール・ミールが興行師であるバーナムの「誰にでも当てはまる要点というものがある」という言葉に因んでつけられたと言われています。
映画『グレイテスト・ショーマン』の中で、ヒュー・ジャックマン演じるその主人公こそが、このバーナムになります。
映画の中でも、バーナムはサーカスの団員を集めるために、特殊な人の下へ行って、「これはあなたにしかできない」「あなたは誰よりも魅力的だ」などといって、仲間を集めるのですが、これがバーナム効果の原点ともいえるでしょう。
バーナム効果はあらゆるところで使われています。
「あなたは社会に疲れて癒しを求めている」と言われれば、働いている人であれば、大体の人が「そうかもしれない」と思ってしまいますよね?
カクテルパーティ効果に似ていますが、一般的な心理効果としては、カクテルパーティ効果は溢れる情報の中から、自分が必要な情報を無意識に選択しているといった効果です。
バーナム効果の場合は、「あなたはこういう人ですよね?」と一般的に多くの人に当てはまりそうな特徴にも関わらず、自分のことだと勘違いして、そこに意識を向けさせる心理効果になります。
「なんでこんなに当てはまるんだろう」「自分のことをこんなにわかってもらえる」といった想いがもうバーナム効果の影響だったりします。
バーナム効果がよく使われるのが占いですが、これは最初の時点で、対象を選択しています。
例えば、星座占い、血液型占い、名前占いなどいろいろありますが、自分はB型だから、自分は山羊座だから、といったように最初に条件が絞られるわけです。
最初から自分のこととして情報を得るため、「B型のあなたは感情豊かで、人に優しくできます」と言われれば、B型の人はそうなのかもしれないと思うわけです。
さらにそこから、自分はB型だから感情豊かで人に優しくできるタイプなんだという思い込みが実際の性格や生活に変化をもたらし、そのとおりの行動をし始めたりするといった効果が生まれることもあります。
(ちなみにこのように、「あなたは○○な人だ」といったラベルを貼られることで、意識的にも、無意識的にも、実際にラベル通りの行動を行ってしまう心理効果を、ラベリング効果と呼んだりします)
確定バイアスについて
では『バーナム効果』をビジネスにどう取り入れるかですが、ここで『確定バイアス』についても説明します。
『確定バイアス』とは、自分が信じている証拠には目がいき、自分が信じていることに反するような証拠からは目を背けるといった現象を言います。
どういうことかというと、バーナム効果が働くことによって、同時に確定バイアスが働き、「本当はそんなことはない」といった情報や、「当てはまらない人もいる」といった事実を無視してしまうことです。
さらにこのバーナム効果は、権威者や目上の人から言われると特に信じてしまいやすい傾向があります。
また、自分が弱っている時や、困っていたり、迷っている時に効果が大きくなる傾向があります。
なので本当に悪用厳禁ですよ(笑)
ビジネスへの応用
では改めてビジネスでの取り入れ方ですが、「自分にあてはまる」「自分のことを理解してもらえている」そういった感情を抱いてもらうことで、信頼度が上がりますよね?
会話や文章などで、このバーナム効果を取り入れれば、「私のことをわかってくれている」「この人の言うことは信用できるかも」と思ってもらえるので、営業などでも大いに役立ってくれます。
あなただけのために話していると思ってもらえるように、バーナム効果を取り入れましょう。
信頼度を上げられるような会話や文章を意識することで、成約への効果も変わってくるはずです。
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